和田アキ子

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〜常総市の失敗と、治水予算を2割削った民主党政権の責任を考える (仮英訳:Disaster of Flooding along Kinu River,Japan) は内閣参事官を務めた嘉悦大学教授高橋洋一が、日本の出版社講談社が運営するインターネットサイトニュースの深層に2015年9月14日発表の論考。党派的な主張が混じった題名で大きく2つの主張を繰り広げる。

目次

[編集] 本文1

まず、消費増税にひと言モノ申したい
先週は、鬼怒川の大氾濫で大変な一週間だった。
そんな中で、消費税の還付が話題になっている。集中豪雨災害の行政責任を考える前に、まずはこの件について一言触れておきたい。
先週の本コラム(引用時編集)で言及したときは、トルコG20サミットで麻生財務相が発言しか内容しか情報がなかったが、その後の情報を加えて、少し補足しておこう。
1)2017年4月からの消費増税はマスト
2)その際、「酒類を除く飲食料品」の消費増税2%分に相当する給付金を事後的に払う。
3)給付金の事後支払の際には、マイナンバーを利用して給付額を算出する。ただし、上限を4000円/年とする(この上限は上乗せの可能性あり)。
まず、1)が最大の問題である。はっきりいって、いまの日本経済の状況を考えれば、こんなことをやっている余裕はない。その上で、2)はいいが、3)はやり過ぎだ。
還付金は、高額所得者も恩恵を受けられる軽減税率と違って、低所得者層に恩恵を絞れるので、政策的には望ましい。もっとも、①簡素な給付(所得に応じて還付額を推計)、②領収書を使って還付、③マイナンバーカードを使って還付、という三つの方法がある。
①から③にかけて、現時点では実施コストが高まり問題点が多くなる。世界を見渡しても、実施されているのは、せいぜい②までである。もっと簡単な方法があるというのに、財務省は野心的にも③を提示して、わざと批判を受けているようにもみえる。
財務省にとって、2017年4月からの10%への消費再増税が最優先であり、この還付案は極論すれば潰れてもかまわない。もしこの還付案が通れば、還付のための「軽減ポイント蓄積センター(仮称)」が作られて、天下り先が一つ増えて良かった、という程度の話だ。10%への消費再増税のためには、上限の4000円が1万円になってもかまわないだろう。
さらに、マイナンバーの交付が間に合わないという話も出てきた。結局、当面は①にならざるを得ない。
問題点が多いことを承知の上で、財務省はなぜこんな無様な案を出してきたのか。おそらく、先週の本コラムでも書いたように、いま世界の関心が集まっている中国経済の問題から、新聞などの報道機関の目をそらす狙いがあったのではないか。中国経済に関心が集中すると、「消費増税をやってる場合なのか」という反対論が出てくるからだ。
ただ、財務省のアテは外れてしまったかもしれない。中国の経済問題から話題をそらすことには成功したが、消費税問題はあまりに国民の関心が高く、このまま、2017年4月に上げてもいいのかという本質的な疑問が持ち上がってきたからだ。
筆者は、中国の経済情勢などから再増税はとても無理だと思っているが、弱者対策もまともできない消費税の根本的な問題点が、図らずも還付金問題で浮き彫りになった。
さらに、医療など非課税取引であるがゆえに消費増税による仕入れコストアップを添加できないという「非課税問題」や、現行の帳簿方式によって中小事業者は「みなし仕入率」を採用することができるため、消費増税が事実上補助金となる「益税問題」となるような問題も顕在化してくるだろう。
こうした諸問題を回避するためには、2017年4月からの消費増税をスキップするしかないはずだ。その上で、つまり10%への消費再増税をあきらめて、2014年4月からの8%への消費増税の罪滅ぼしとして還付金を行えば、政策として評価できるだろう。
引用元

[編集] 本文2

「クライシスレスポンス」をご存知か
前振りが長くなったが、今回のコラムは、防災対策をどうすべきかだ。
災害報道では、NHKがさすがの力強さを見せ、情報量も豊富だったが、ネットでも参考情報が多くなっている。例えば、グーグルのクライシスレスポンス(引用時編集)だ。このページには、以下のような情報が掲載されている。
宮城県大崎市付近の航空写真(提供:Google)
鬼怒川付近の衛星写真(提供:DigitalGlobe)
鬼怒川付近の航空写真(提供:Google)
無人航空機(UAV)による動画(提供:国土地理院動画チャンネル)
自動車通行実績情報マップ(提供:本田技研工業株式会社)
どれも有用な情報だ。
ネットでは、ソーラー業者が自然堤防を低くしたために、越水が起こったということが話題になったが、その箇所の航空写真は生々しい。
堤防決壊や越水が複数箇所になったために、常総市は鬼怒川の東側がかなり浸水した。
これを常総市のハザードマップ(引用時編集)と重ね合わせると、ハザードマップの重要性がわかる。
茨城県常総市や宮城県では複数箇所の堤防決壊があり、それ以外の場所でも堤防を乗り越えて越水があった。記録的な雨量が、今回の災害の主要因といわれている。
では、堤防の設計基準には問題がなかったのだろうか。
引用元2

[編集] 本文3

民主党政権は治水予算を20%削減
ある報道番組の情報によると、今回堤防が決壊した鬼怒川では、24時間の降水量を300mmと想定していたという。今回、降水量は今市で541mmとなっており、これは今市としては観測史上最高記録で、事前の想定をはるかに超えていたことになる。
ただし、同じ鬼怒川領域の日光では、過去70年間で、300mm以上の雨量を超えたことは、17回もあった(最高が519mm)。南北に流れる鬼怒川に沿って、南北の線状降雨帯があったとはいえ、日光では大量降雨が珍しくはなくなっているということだ。
洪水に対する防災対策は、堤防などのハード面と住民避難のソフト面がある。
筆者は公共事業について、コスト・ベネフィット基準に基づいて、必要なものは整備すべきという立場であるが、古い設計基準のまま堤防決壊して人命や財産が失われるのであれば、新しい設計基準による堤防工事は正当化されるはずだ。
コストカットばかり優先させるよりも、コスト・ベネフィット基準によって必要な公共事業は行わなければならない。
ネット上では、民主党時代の事業仕分けで公共工事が削減され、それが今回の惨事を招いたとの意見もある。前提として、堤防建設は長期的な河川計画に基づいて行われるので、民主党時代のスタンスが直接に影響するものではない。
ただし、民主党時代の事業仕分けによる公共事業カットは、2010年度の公共事業▲18.3%、治水予算▲19.6%など、例年に比較して大きかったのは間違いない。
「コンクリートから人へ」というスローガンで15%のコストカット方針が打ち出されて、適切なコスト・ベネフィット分析が行われないまま、ただ「予算削減ありき」となってしまったのではないか。この際、一斉点検して、今後の災害に備えておくことも必要であろう
引用元3

[編集] 本文4

行政の対応にも問題があった
ただし、公共事業に予算をつけるとしても一朝一夕には整備できないので、当面の間、ソフト面での対応によらざるを得ない。
各自治体は、ハザードマップを公表している。それを見れば、万が一の場合、より深刻な影響を受ける地域をある程度把握することができる。もちろん、その地区に住んでいる住民がもっとも注意をすべきだが、今回のような洪水では、自分が住んでいる地域の雨量が問題なのではなく、上流の地域での雨量が問題である。
国交省は、洪水シミュレーションも行っていたと思われるので、上流の情報も地域住民に共有すべきだった。住民が上流の情報を把握するのは困難であるので、行政にもかなりの責任があるはずだ。
今回の場合、気象庁から特別警報が栃木県、茨城県、宮城県に対して出されている。各地方自治体では特別警報に先んじて避難指示などの対応も行っていた。
しかし、常総市では、場所によって避難指示を出すが遅れたり、避難指示を出し損なった地区もあった。避難指示や避難勧告が出せないのは、行政対応の失敗である。また、避難指示が出ても、住民に届かなかったところもある。
さらに問題なのは、「鬼怒川の西側へ避難するように」という避難誘導もあったという点だ。常総市は鬼怒川をはさんで東西に分かれているが、避難場所を東西に分けていなかったため、鬼怒川が氾濫しているにもかかわらず、その方向に避難せよと指示を出したことになる。危険が増すことになるのはいうまでもない。
行政地域にかかわらず、住民が安全に避難する方向をあらかじめ定めておく必要がある。これも行政対応の失敗である。
いざというときに、人の判断ではミスが出ることもしばしばである。事前に十分なシミュレーションを行って、初動では自動的に各人に警戒情報を伝達できるような態勢作りが必要になってくるだろう。
引用元4

[編集] 論評

「民主党政権の責任を考える」表題の後に「まず、消費増税にひと言モノ申したい」、その後に「前振りが長くなったが、今回のコラムは、防災対策をどうすべきかだ。」とある。このため論旨に急激な跳躍や飛躍が含まれ通常の読者の理解を大きく超越している。

ネット上では、民主党時代の事業仕分けで公共工事が削減され、それが今回の惨事を招いたとの意見もある。前提として、堤防建設は長期的な河川計画に基づいて行われるので、民主党時代のスタンスが直接に影響するものではない。ただし、民主党時代の事業仕分けによる公共事業カットは、2010年度の公共事業▲18.3%、治水予算▲19.6%など、例年に比較して大きかったのは間違いない。

とあり、「行政の対応にも問題があった」と推論しているが、今後の復旧計画について、公平な負担や税制を交えて提示する著者の新たな論考が待たれる。

[編集] 外部リンク

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